2026.6.14 村中の葬式に使われるコー(龕)の仕立祝をすることになり、その祝儀の出し物の一演目として、上演された。
泡瀬京太郎保存会
会長 喜屋武 達男
2026年(令和8年)
私たちの最新の取り組みを紹介します
太鼓と三線の音色とともに伝わる祝福芸
「泡瀬の京太郎」は、太鼓や歌三線(ウタサンシン)の演奏に合わせて、「扇子の舞」や「鳥刺し舞」などを演じる伝統芸能で、かつて沖縄で行われていた祝福芸の様子を今に伝えています。沖縄市は那覇市から東北約20kmに位置し、泡瀬地区は同市東部、中城湾に面した地域です。「泡瀬の京太郎」は、泡瀬地区や沖縄市などの各種行事の折に演じられ、地域の祝いの場を彩る芸能として受け継がれてきました。
演じ手は、胸前に縦に太鼓を付け撥(バチ)を持つ太鼓打ちの音取(ニートゥイ)1名、腰に馬の頭部の形を付け手綱を握る馬舞者(ンマメーサー)2名、陣笠をかぶった踊り手がおよそ10名ほど、そして三線を演奏しながら歌う地謡(ジウテー)3名で構成されます。演目は「早口説(ハヤクドゥチ)」「扇子の舞(オージヌメー)」「御知行の舞(ウチジョーヌメー)」「馬舞者(ンマメーサー)」「鳥刺し舞(トゥイサシメー)」から成り、舞い手たちの道行きを告げる早口説、祝福の言葉を含む扇子の舞、豊かな収穫を祝う意味を持つ御知行の舞、抑揚をつけて万歳(まんざい)台詞を掛け合う馬舞者、鳥刺しの様子を踊りで表現する鳥刺し舞など、祝いの芸としての要素が随所に込められています。
京太郎は、かつて家々を回りながら祝福芸や念仏、人形芝居などを演じた人々、またその芸能を指す言葉でもあります。琉球王朝時代の史料には、京太郎の由来について、京都から来た人が教えたのか、あるいは京太郎という人物が芸を作ったのか判然としない、と記録されていることも伝えられています。明治以降、家々を回る形の京太郎は徐々に行われなくなりましたが、その後、首里の寒水川(スンガー)芝居に京太郎の芸能を取り入れたものがあり、「泡瀬の京太郎」はその芝居の役者から教わり、1906年(明治39年)に地域の人々が祝いの場で初めて演じて以来、今日まで大切に伝承されてきました。
泡瀬京太郎の歩み
村中の葬式に使われるコー(龕)の仕立祝をすることになり、その祝儀の出し物の一演目として、上演された。
泡瀬京太郎の本格的な保存活動始まる
泡瀬京太郎保存会(会長 田里友吉氏)結成
伝統芸能の保存に努力したことが認められ、琉球政府文化財保護委員会より表彰
泡瀬の京太郎 沖縄市の文化財に指定(4月9日)
泡瀬の京太郎 沖縄県指定無形民俗文化財に指定(3月31日)
記念公演・記念誌発刊
第12回まつり イン ハワイ出演(ホノルル市)
無形民俗文化財の普及文化の振興に貢献したことにより県教育委員会より表彰
沖縄サミット首里城出演
無形民俗文化財県指定20周年記念公演
泡瀬京太郎保存会結成45周年記念祝賀会
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財としての国選択
泡瀬京太郎 謡と歌詞と踊り 発刊
第48回九州地区民俗芸能大会出演(うるま市民芸能劇場)
第2回沖縄市芸能フェスティバル(愛知県東海市)
山形県米沢市「第8回なせばなる秋祭り」
京太郎関連劇「京太郎敵討」公演
大阪府豊中市まつり(沖縄市政50周年・兄弟都市交流事業)
伝統を守り、伝えるための様々な取り組み
1979年(昭和54年)に沖縄市の無形文化財に指定されました。1980年(昭和55年)には沖縄県指定無形民俗文化財に指定され、さらに2005年(平成17年)には国指定無形民俗文化財に選択されました。 これらの指定・選択は「泡瀬の京太郎」が地域から県、そして国へと文化的価値が広く認められてきた証です。
1980年(昭和55年)の県指定記念公演、2000年(平成12年)の沖縄サミット首里城公演、2006年(平成18年)の九州民俗芸能大会への出演をはじめ、泡瀬まつりや泡瀬文化祭、沖縄市文化芸術祭や国際カーニバルなど地域に根ざした活動にも積極的に参加し、県内の重要な舞台で「泡瀬の京太郎」を披露してきました。
1906年(明治39年)の泡瀬初演の後、明治後期や大正、昭和初期にわたり地域の民俗芸能として地道な公演活動を実施してきた「泡瀬の京太郎」は、1945年の沖縄戦勃発と戦後の復興対応のため芸能衰退の危機に直面しました。
しかしながら泡瀬地域の先達は民俗文化財としての深い矜持のもと1950年頃から活動を再開し、1958年(昭和33年)には保存会を設立、京太郎芸の保存・継承策を展開しています。
1991年のハワイ・ホノルル市での公演、1995年・2001年・2021年の世界のウチナーンチュ大会、2018年の愛知県東海市、2019年の山形県米沢市との姉妹都市交流、2024年の大阪府豊中市まつり(沖縄市政50周年・兄弟都市交流)など、国内外の交流イベントを通して泡瀬の伝統文化を広く発信しています。
また、2026年にはWebやSNSを活用した「泡瀬の京太郎」芸の普及活動を実施しました。
1993年、県教育委員会から無形民俗文化財の普及振興の表彰を受けました。2000年以降、沖縄市東部地域の児童生徒及び学生に対する普及活動の一環として、体育祭演目への折り込み、社会学習授業の実施及び社会科補助教科書掲載等を積極的に実施しました。また、子ども京太郎組織の発足のもと、東京公演を実施するなど次世代を担う若者たちに伝統文化の素晴らしさを伝え続けています。
1987年「泡瀬の京太郎 沖縄市文化財調査報告書」沖縄市教育委員会発刊、1980年「泡瀬京太郎」県指定記念誌発刊に続き、2005年「泡瀬京太郎 謡と歌詞と踊り」、2006年「泡瀬京太郎百周年記念祭」を発刊。また2012年に京太郎芸の演舞・台詞・音曲のDVD教材を作成しました。
明治39年の初演から120年にわたる歴史的資料を整理・保存し、伝統芸能の研究と記録を継続的に行っています。
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